パブコメとは
国の行政機関は、政策を実施していくうえで、さまざまな政令や省令などを定めます。これら政令や省令等を決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民の皆様から意見、情報を募集する手続が、パブリック・コメント制度(意見公募手続)です。
引用 e-Govパブリック・コメント パブリック・コメント制度について
パブコメとは政令や省令を定める前に国民から意見を聞き、それを反映するというシステムです。投票のような制度ではないため単純に賛成・反対の多寡により政令等がなくなったり、修正されたりするわけではない点に注意が必要です。
しかし、行政手続法第四十三条によりパブコメを使用して政令等を定めた場合には提出された意見とそれを考慮した結果を公示するとされているため、根拠ある反対意見が多数集まれば決して無視できないものとなるのではないでしょうか。
パブコメの書き方
パブコメの提出方法にはさまざまな種類があり、それぞれのパブコメごとに定められています。そのためまずはそのルールを守ることが必要です。入力フォームに沿っていけば自動的にルールを守れる場合もありますが、ワードファイルなどで送信する場合は注意が必要です。別の部分の対する意見はファイルを分けて別で送信する必要がある場合などもあります。注意点をよく読んでから書き始めましょう。
パブコメが募集されるような案件には既に行政側で作られた法案や計画があるので、まずは案文を読み込むところから始めます。案文に全く書かれていないことについて意見を送っても対応のしようがありません。しかし、ものによってはこれが何十ページにもわたる場合もありますし、その中で自分が気になる点はごく一部ということもあると思います。その場合は資料の全てを読み込む必要はないでしょう。
具体的にパブコメを記載する時には案文の「どの部分に対する意見なのか」をまずはっきりと記載したほうが伝わりやすいでしょう。「○ページの何行目の『△△~~』という文について」、「本文第○章△節の項目□の部分について」などと指定するのがよいと思います。
そして意見の本文についてですが、ここは各個人の率直な意見を書くことが一番大事です。ですが、もし自分が書いたパブコメを採用してほしいと思う時にはパブコメ募集の背景を考える必要があります。パブコメには必ず原案があり、それは議会や行政の場で何度も話し合われて調整されてきたものです。そういった事情もあり、大きく文章を変えるものより細かい文言の変更や補足の追加といった意見の方が採用されやすいようです。しかし日本のお役所文化ではこの細かい文言に捕らわれることも多く、補足の有無で運用が変わるという可能性も考えられます。
最後に一番大事なことですが、どのような意見であっても提出しなければ影響を及ぼすことはできません。ゆっくりと読み込む時間が取れない場合などは短文でも構わないのでとにかく期限内にパブコメを提出しましょう。
参考 パブリックコメントの書き方攻略大全〜みんなでつくる地域政策〜|ニナイちゃん、あるいはとださん
パブコメ案件の探し方
国の機関が募集しているパブコメ案件はe-govのサイトのパブリック・コメントのページで公開され、カテゴリー別や所管省庁による検索も可能です。次世代運動としては「カテゴリー:社会保険」「カテゴリー:社会福祉」「カテゴリー:厚生」の案件を特に注視する必要があると考えています。
地方自治体が募集しているパブコメ案件については、残念ながらまとめて検索できるサイトはないためそれぞれの地方自治体のウェブページから探す必要があります。自分のお住いの地域のパブコメを見てみるもよし、他の地域のパブコメについてポストしてその地域のフォロワーに伝えるもよし。パブコメを通じて政治へと参加していきましょう。
X上で有志がパブコメの案内をしている場合もあるのでそれらを参考にするのもよいと思います。
次世代運動によるパブコメ提出促進スキーム
次世代運動でも国民の活発なパブコメ提出を促進するために情報共有の仕組みを作ろうと考えています。
流れとしては以下のような形です。
①次世代運動に関係しそうなパブコメを発掘した人がハッシュタグ #次世代パブコメ をつけてポスト
(例)
現在障害福祉サービスの報酬の一部改正に関するパブコメが募集されています。感染予防に関する加算などが並んでいますが、これは現場が望んでいるものなのでしょうか?詳しい方がいればパブコメを送って頂きたいです。#次世代パブコメhttps://t.co/nXASuR7J3V
— 拳太郎 (@kobushi_tarou) February 28, 2024
②会員によるリポストで拡散、あるいは #次世代パブコメ で検索してその分野に詳しい人に届く
印刷しようとしたら203ページあったので、タブレット片手にインタビューの旅に出ます。私の持ちネタはこれから送ります。情報ありがとうございます!
— tamamitsunu (@tamamitsunu1) February 29, 2024
③詳しい人が募集内容を読み込む
④その人が自分の送ったパブコメや説明(募集内容やその分野の背景情報など)を最初のポストにリプライとしてつける
⑤それを見て問題意識を持った人が各自でパブコメを送る
この流れはまだ実験段階ですが、協力して頂ける方はよろしくお願いします。